居酒屋や郷土料理のお店で見かける「馬刺し」。
独特の甘みとコク、クセのない赤身肉の旨味――そこに日本酒を合わせると、ただの“おつまみ”が一気に“通な逸品”へと変わります。
「馬刺しに日本酒って合うの?」
「どういう日本酒を選べばいいの?」
そんな疑問を持つ日本酒ビギナーの方へ、馬刺しと日本酒の魅力的な関係性、酒の選び方、地域別の楽しみ方まで、やさしく解説します。
馬刺しの魅力とは?脂控えめ、だから酒が生きる
馬刺しは、牛肉より脂が少なく、クセも控えめ。
特に赤身肉はしっかりとした歯応えと自然な甘み、鉄分を含む独特の旨味が特徴です。
そしてこの「旨味」と「淡白さ」が、米の甘みと旨味を持つ日本酒と非常に相性が良いのです。
さらに、薬味(おろしニンニク・生姜・玉ねぎスライス)や醤油ベースのタレが加わることで、香りや味のバランスに幅が出るため、日本酒との“調和の余地”も広がります。
馬刺しに合う日本酒のタイプは?キーワードは「香り控えめ・旨味重視」
馬刺しは非常に繊細な味わいを持つ料理。
だからこそ、香りが強すぎる吟醸系よりも、穏やかな香りとしっかりした旨味を持つ日本酒がおすすめです。
特におすすめなのは以下のタイプ:
- 純米酒(冷酒~常温)
- 山廃仕込み・生酛系(常温〜ぬる燗)
- 熟成系の純米酒(赤身にマッチ)
- 淡麗辛口の本醸造酒(脂の少ない部位に)
部位別|馬刺し×日本酒ペアリング早見表
馬刺しの部位 | 特徴 | 合う日本酒タイプ |
---|---|---|
赤身(ロース) | 脂控えめであっさり、旨味が濃い | 純米酒(常温)、山廃純米(ぬる燗) |
たてがみ | 脂が多くまろやか、ミルキー | フルーティー系純米吟醸(冷酒) |
フタエゴ(赤身+脂) | 赤身と脂のバランスがよい | しっかり辛口の本醸造、純米原酒(冷酒〜常温) |
レバー | クセがあり鉄分豊富 | 生酛系・熟成酒(常温〜熱燗) |
薬味・タレとのバランスでも酒を選ぼう
タレ・薬味 | 合う日本酒タイプ | コメント |
---|---|---|
醤油+おろし生姜 | 純米酒(常温) | 馬刺しの旨味を消さず、バランス◎ |
醤油+おろしにんにく | 辛口の本醸造酒 or 山廃純米(燗) | にんにくのパンチに負けないコクが必要 |
甘醤油+玉ねぎスライス | 微発泡系 or 純米吟醸(冷酒) | 爽やかな酸味が甘さとシャキシャキ感を引き立てる |
ご当地×日本酒で楽しむ馬刺しペアリング旅(例)
地域 | 馬刺しの特徴 | 合わせたい地酒 |
---|---|---|
熊本 | 赤身中心でやわらかく甘い | 香露 純米酒(熊本) |
長野 | 冷凍流通が少なく、鮮度が高い | 真澄 純米吟醸(長野) |
会津(福島) | タレやにんにくと一緒に食べる文化 | 大七 生酛純米(福島) |
山形 | レバーや希少部位も多い | 十四代 中取り純米(山形) ※冷酒で |
家飲みにおすすめ!馬刺し×日本酒の簡単な楽しみ方
① まずは赤身×純米酒(常温)でベースを楽しむ
⇒ 素材本来の味と酒の旨味の“ど真ん中”の組み合わせ。
② タレや薬味で“味変” → 酒もチェンジ
⇒ にんにく×燗酒、生姜×冷酒など、香りの合わせ技が楽しい。
③ 最後はたてがみ×冷酒で“デザート的”に
⇒ ほんのり脂の甘みに、華やかな日本酒を添えて締めにぴったり。
初心者におすすめ!馬刺しと合わせたい日本酒5選
日本酒名 | 特徴 | 合う馬刺しタイプ |
---|---|---|
真澄 純米吟醸(長野) | クセがなく調和型、万能選手 | 赤身・ロース |
大七 生酛純米(福島) | しっかり旨味、鉄分系と好相性 | レバー |
香露 純米酒(熊本) | やわらかい米の甘み、地元の馬刺しと調和 | 赤身・フタエゴ |
天狗舞 山廃純米(石川) | コクと酸味、ぬる燗で映える | にんにく×赤身 |
上善如水 純米吟醸(新潟) | フルーティで軽快、冷酒向け | たてがみ・甘口醤油タレ系 |
まとめ|馬刺し×日本酒は“通”になれるペアリングの第一歩
- 赤身の旨味と米のうま味がしっかり重なる、大人な組み合わせ
- 部位・薬味・タレによって、日本酒の選び方も変えると楽しい
- 家飲みでも簡単に「居酒屋以上の満足感」が再現できる!
「とりあえずビール」から一歩踏み出し、今夜は“馬刺しと日本酒”で静かにグラスを傾けてみてはいかがでしょう。
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