1. 海のロマンが薫る至高の一滴

徳島県鳴門市に蔵を構える本家松浦酒造は、1804年(文化元年)の創業以来、200年以上にわたって伝統の酒造りを守り続けています。この酒蔵の特徴は、海との深い関わりにあります。蔵の創業者である松浦家のルーツは、かつて肥前国(現在の長崎・佐賀)の松浦党という水軍の末裔とされ、その精神は今も酒造りの理念に息づいています。鳴門といえば、渦潮が生み出す豊かな海の恵みが広がる地。この土地の自然の恩恵を受けた酒造りが、本家松浦酒造の個性を際立たせています。
酒造りの根幹をなすのは、地元・徳島の気候と風土に育まれた酒米、そして名水百選にも選ばれる剣山系の伏流水。この清冽な水が、松浦酒造の酒に雑味のない、すっきりとした飲み口をもたらします。伝統的な手法を守りながらも、現代の技術を取り入れ、時代に合わせた酒造りを続ける本家松浦酒造。その一滴には、歴史と革新が交差する唯一無二の味わいが詰まっています。
2. 時を超えて受け継がれる匠の技
本家松浦酒造は、200年以上にわたり徳島の地に根付きながら、地域の文化とともに歩んできました。その長い歴史の中で、特に四代目・九平の時代には、酒造りだけにとどまらず、酒を海外へ輸送する大きな挑戦も行っています。彼は「金松丸」「銀松丸」という2艘の船を用い、自ら朝鮮半島にまで酒樽を運びました。これは当時としては画期的な試みであり、本家松浦酒造の精神がただの伝統に甘んじるのではなく、常に新しい挑戦を求める姿勢であることを示しています。
酒造りにおいても、その革新性は今に受け継がれています。昔ながらの手作業を大切にしつつも、最新の醸造技術を導入し、より洗練された味わいを追求。伝統を重んじながらも進化を止めないこの姿勢が、本家松浦酒造の酒を特別なものにしているのです。
3. 素材と技の融合が生む唯一無二の味わい
日本酒の味を決めるのは、米・水・技術の三位一体の調和です。本家松浦酒造では、厳選された徳島県産の酒米を使用し、地元の気候風土を生かした醸造を行っています。米の持つ旨味を最大限に引き出すため、精米から仕込み、発酵、熟成に至るまで、細部にわたるこだわりを貫いています。
仕込み水には、剣山系の伏流水を使用。この水は、清冽で柔らかく、米の甘みを引き立てるのが特徴です。また、発酵過程では伝統の麹造りを重視し、低温でじっくりと時間をかけることで、香り高く奥深い味わいを生み出しています。こうした徹底したこだわりが、本家松浦酒造ならではのまろやかでキレのある酒を生み出す要因となっています。
4. 世界が認める、日本酒の真髄
本家松浦酒造の酒は、国内外で高く評価されています。近年、世界的な日本酒ブームの中で、海外市場への展開も積極的に進めており、ヨーロッパやアメリカ、アジア諸国でもその名が知られるようになりました。特に、吟醸酒や純米酒の繊細な味わいは、ワイン文化の強い地域でも人気を博しています。
国際的な品評会でも数々の受賞歴を誇り、その品質の高さが証明されています。海外の食文化に合わせたペアリングの提案も行っており、日本酒の新たな可能性を世界に発信し続けています。
5. 香り、旨味、余韻。銘柄ごとに異なる個性

本家松浦酒造の代表銘柄には、「鳴門鯛」シリーズがあります。このシリーズは、辛口でキレのある味わいが特徴で、食中酒として抜群の相性を誇ります。
・鳴門鯛 純米大吟醸:華やかな香りとフルーティな甘みが特徴で、刺身やカルパッチョと好相性。
・鳴門鯛 吟醸酒:スッキリとした飲み口ながら、しっかりとした旨味が広がる。天ぷらや焼き魚にぴったり。
・鳴門鯛 純米酒:米のふくよかな味わいが感じられ、煮物や鍋料理との組み合わせがオススメ。
それぞれの酒が持つ個性を生かし、さまざまな料理とのペアリングを楽しめるのが魅力です。
6. 伝統を守り、新たな地平へ
本家松浦酒造は、伝統の技を守りながらも、新たな挑戦を続けています。環境に配慮した酒造りを目指し、サステナブルな取り組みにも積極的に参加。また、若い世代への日本酒文化の普及にも力を入れ、日本酒の未来を見据えた活動を展開しています。
7. 魅力あふれる酒蔵の物語
200年以上の歴史を誇る本家松浦酒造。その酒には、伝統と革新が織りなす深い物語が刻まれています。これからも時代とともに進化し続ける本家松浦酒造の日本酒は、国内外の酒好きにとって、ますます目が離せない存在となるでしょう。
8. 所在地情報
本家松浦酒造
所在地:徳島県鳴門市大麻町池谷字柳ノ本19
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