甘酒のように白くて、ドロッとした見た目を持つお酒が「どぶろく」です。
どぶろくというと、時代劇のお百姓さんが飲んでいるイメージがあります。
何となく古臭いイメージがありますが、現在どぶろくが見直され人気です。
では、どぶろくとは一体どんなお酒なのでしょうか。
今回は、日本酒の原点「どぶろく」とは・起源・特徴・にごり酒との違いについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。
「どぶろく」とは?
どぶろくとは、日本酒づくりの工程で「搾り」を経てないお酒のことです。
どぶろくを漢字で書くと「濁酒(だくしゅ)」と書きます。
どぶろくは別名「もろみ酒」「濁り酒(にごりざけ)」「白馬(しろうま)」といいます。
「どぶろく」の名前の由来
どぶろくの名前の由来は不明です。
一説によると平安時代以前にお米でつくった「もろみ」の混じった濁酒を「濁醪(だくらう)」「酴醿醁(どびろく)」といっていたものが訛って「どぶろく」になったという説があります。
11世紀の中期につくられた藤原明衡の著書「新猿楽記」のある写本には「濁醪」という言葉が記載されています。
「どぶろく」の起源
どぶろくの起源は弥生時代頃といわれています。
その理由は日本で稲作が始まったのが弥生時代だからです。
弥生時代にはお米を原料にした酒づくりがおこなわれていたといわれています。
ちなみに江戸時代初期頃までは、お酒とはイコールどぶろくのことでした。
「どぶろく」の特徴
こちらではどぶろくの特徴についてご紹介します。
1⃣味わい
どぶろくの味わいの特徴はやさしい甘味と濃厚な米の旨味があることです。
甘酒のように甘く、マッコリのように飲みやすいお酒です。
若干酸味があります。
2⃣香り
どぶろくの香りの特徴は華やかで、お米の甘い香りがあることです。
3⃣口当たり
どぶろくの口当たりの特徴はお米のツブツブ感があることです。
またトロッとして、シュワッと弾けるのどごしがあります。
4⃣美容効果
どぶろくには美容効果があります。
主な美容効果は次の通りです。
・脂質の吸収を抑えてくれる
・肌が美しくなる
・腸内環境が改善する
「どぶろく」ができるまでの工程
こちらではどぶろくができるまでの工程についてご紹介します。
わかりやすいように「もろみづくり」の後からの工程からご説明します。
❶もろみづくり
もろみづくりとは蒸米、米麹、酒母、水をすべてタンクに入れてもろみをつくることです。
❷発酵
発酵とはもろみを発酵させることです。
❸どぶろくの完成
十分に発酵したらどぶろくの完成です。
このようにどぶろくとはもろみを発酵させたものです。
そのため別名「もろみ酒」といいます。
また業者によっては糖化や発酵を止め、火落ち菌防止の殺菌目的で火入れをします。
「どぶろく」と「にごり酒」の違い
どぶろくとにごり酒は一見、見た目は似ていますがまったくの別物です。
こちらではどぶろくとにごり酒の違いについてわかりやすくご紹介します。
1⃣どぶろくとは?
どぶろくとは発酵したもろみを搾らないでそのまま飲むことができるようにしたお酒のことです。
どぶろくは「搾り」の工程を経ていないお酒なので酒税法上では「清酒」ではありません。
その他の醸造酒として扱われます。
2⃣にごり酒とは?
にごり酒とは発酵したもろみを粗い目の濾し器で搾ったお酒のことです。
にごり酒は「搾り」の工程を経ていることから酒税法上では「清酒」として扱われます。
「どぶろく」と「マッコリ」との違い
どぶろくと見た目がそっくりなお隣韓国のお酒が「マッコリ」です。
ただしどぶろくとマッコリはまったくの別物です。
こちらではどぶろくとマッコリの違いについてわかりやすくご紹介します。
1⃣どぶろくとは?
どぶろくとはお米・米麴・水を原料にしたお酒のことです。
アルコール度数は通常15〜16度、濃厚な味わいでお米のツブツブ感があります。
2⃣マッコリとは?
マッコリとはお米・サツマイモ・トウモロコシ・水を原料にしたお酒のことです。
アルコール度数は6%程度でビールくらいです。
甘くて、酸味があり、スパークリング感が強めなお酒になります。
「どぶろく」に関する法律
現在、どぶろくを自宅でつくることはできません。
その理由はどぶろくは酒税法にもとづくお酒であることから、つくる時には事前に国税庁への申請をする必要があるからです。
もし国税庁の許可なしで勝手にどぶろくをつくると「違法」になります。
罰則は「10年以下の懲役または100万円以下の罰金刑」になるおそれがあります。
「どぶろく」を自宅でつくるには?
どぶろくを自宅でつくる方法があります。
その方法とは「どぶろく特区」でつくることです。
現在、どぶろく特区は日本全国にあり、どぶろく特区であればどぶろくをつくることができます。
ただしどぶろく特区であっても事前に国税庁の許可をとる必要があります。
まとめ
今回は、日本酒の原点「どぶろく」とは・起源・特徴・にごり酒との違いについて、ご紹介しました。
どぶろくは名前が古臭く、見た目は真っ白ですが、甘くて女性でも気軽に飲むことができるお酒です。
ただしアルコール度数が15度くらいあるので、初めての方は飲みすぎには注意しましょう。
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