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日本酒の「生詰め酒」とは?「ひやおろし」や「秋あがり」との違い?

日本酒には「生」に近いお酒がいくつかあります。

その中の1つが「生詰め酒」です。

生酒と比べると、穏やかで落ち着きがある味わいです。

では、生詰め酒とは一体どんなお酒なのでしょうか。

今回は、日本酒の「生詰め酒」とは何か・「ひやおろし」や「秋あがり」との違いについて、どこよりもわかりやすくご紹介します。

日本酒の「生詰め酒」とは何か?

日本酒の生詰め酒とは貯蔵前に1度だけ火入れをしているお酒のことです。

生詰め酒の読み方は「なまづめしゅ」と読みます。

「生詰め酒」の名前の由来

生詰め酒の名前の由来は、貯蔵前に1度だけ火入れをして、瓶詰め前の火入れがなく「生」のまま詰めることから生詰め酒と呼ばれるようになりました。

ちなみに基本的に日本酒の火入れは「2回」がスタンダードです。

生詰め酒のように1回しか火入れをしていないお酒は「半生(はんなま)」という呼び方をします。

「生詰め酒」の起源

生詰め酒の起源は江戸時代頃からだといわれています。

その理由は生詰め酒を一旦寝かせたお酒が翌年の秋口には「ひやおろし」と呼ばれるお酒に変わり、江戸時代の風物詩として大人気だったからです。

日本酒の「火入れ」とは何か?

日本酒の火入れとはお酒を60〜65℃くらいで、湯煎する工程のことです。

60〜65℃くらいのお湯で湯煎する理由は「品質の安定化」と「火落ち菌を殺菌する」ためです。

火入れの回数や時期で日本酒はさまざまな呼び方がされます。

次の章でわかりやすくご紹介します。

「火入れ」によって変わる日本酒の名称の違い

日本酒は中身は同じでも、火入れの回数や時期によって名称が変わります。

こちらでは日本酒の名称の違いについてわかりやすくご紹介します。

1⃣生酒(なまざけ)

生酒とは一度も火入れをしないまま出荷するお酒のことです。

2⃣原酒(げんしゅ)

原酒とはもろみを搾った後に、一度も加水をしないお酒のことです。

原酒はアルコール度数が20度くらいあります。

また原酒に醸造アルコール、加水、火入れをすることでお酒の名称が変わります。

3⃣普通酒

普通酒とはもろみを搾った後に「1回目の火入れ」をし、貯蔵、熟成、加水して出荷前に「二度目の火入れ」をするお酒のことです。

ほとんどの日本酒は2回の火入れをします。

4⃣生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)

生貯蔵酒とは、出荷の前に1回だけ火入れをしているお酒のことです。

生貯蔵酒は生詰め酒と貯蔵を挟んで丁度真逆の火入れをしているお酒です。

「生詰め酒」ができる工程

こちらでは生詰め酒ができる工程についてご紹介します。

わかりやすいように「もろみづくり」の後からの工程からご説明します。

1⃣もろみづくり

もろみづくりとは蒸米、米麹、酒母、水をすべてタンクに入れてもろみをつくることです。

2⃣発酵

発酵とはもろみを発酵させることです。

3⃣上槽(じょうそう)

上槽とはもろみを搾り、原酒と酒粕に分けることです。

4⃣火入れ

火入れとは生原酒を60〜65℃くらいで、湯煎する工程のことです。

生詰め酒はここで1回だけ火入れをして、貯蔵、調整、瓶詰などをしてその年に出荷されます。

「生詰め酒」の特徴

こちらでは生詰め酒の特徴についてご紹介します。

1⃣味わい

生詰め酒の味わいの特徴はフレッシュで爽やかな味わいであることです。

生酒よりは酸味が落ち着いており、甘味が感じられます。

2⃣香り

生詰め酒の香りの特徴は、1回火入れをしていることで酵素や酵母は失活し穏やかな香りです。

3⃣口当たり

生詰め酒の口当たりの特徴は、まろやかでとろみがあることです。

また炭酸ガスの生成が止まっているのでシュワシュワ感はありません。

生詰め酒の3つの種類

生詰め酒には次の3つの種類があります。

1⃣ひやおろし

2⃣秋あがり

3⃣秋落ち(あきおち)

次の章からそれぞれどんなお酒なのかについてわかりやすくご紹介します。

「ひやおろし」とは何か?

ひやおろしとは生詰め酒の一種で、翌年の秋口に出荷するお酒のことです。

ひやおろしは次の流れでつくられます。

1⃣本年の10~12月に新酒としてつくられる

2⃣本年の冬の間にもろみを搾る

3⃣翌年の春先に火入れをする

4⃣貯蔵して、ひと夏寝かせる

5⃣秋口になり、貯蔵庫と外気が同じくらいの温度になった頃に瓶入れをして出荷する

まとめるとひやおろしとは新酒から約1年後の秋口に出荷する生詰め酒ということです。

ひやおろしの名前の由来は「ひや=常温」の状態で「出荷する=おろす」という意味からひやおろしとなりました。

「秋あがり」とは何か?

秋あがりとは、ひやおろしの中でもひと夏寝かせたことで秋口に出荷する頃に「味があがった」お酒のことです。

「秋落ち」とは何か?

秋落ちとは、ひやおろしの中でもひと夏寝かせたことで秋口に出荷する頃に「味が悪くなった」お酒のことです。

まとめると秋あがりは美味しいお酒で、秋落ちは美味しくないお酒ということです。

まとめ

今回は、日本酒の「生詰め酒」とは何か・「ひやおろし」や「秋あがり」との違いについてご紹介しました。

生詰め酒は「生」の名前がつくお酒の中でも比較的落ち着いたお酒です。

また「ひやおろし」のような秋の風物詩もあるので楽しみが尽きません。

まだ生詰め酒を飲んだことがない方は、ぜひ一度飲んでみることをおすすめします。

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